幕張の顔になる! ロッテからドラフト1位指名された大阪桐蔭・藤原恭大外野手(18)が1日、大阪市内のホテルで契約を行い、契約金1億円、出来高5000万円、年俸1500万円で合意した。ロッテ高卒新人の契約で出来高が付くのは初めてで、背番号は「2」。中日から1位指名を受けた根尾に隠れがちだったが、ドラフトで3球団から最高評価を受けた。巨人入りが決まった丸佳浩外野手(29)のFA争奪戦に敗れたショックを感じさせない逸材の、心技体に迫る。

藤原が背筋を伸ばした。「契約を終えて、ちょうど今日から12月がスタートした。より強い意識を持ってしっかり練習して、ギアを上げて臨んでいきたい。ここからが本当のスタート」。高校通算32本の本塁打を放ち、甲子園では春夏連覇。高校野球界のトップを走り続けてきた大物に、ロッテは最高の評価をした。

背番号「2」に、球団の高卒ルーキーで初となる“マックス契約”。期待の大きさにふさわしく「まだまだ全然実力がないんですが、トリプルスリーという大きな目標を持っています」と3割、30本、30盗塁を掲げた。ただロッテ、阪神、楽天から1位指名を受けた逸材は、甘くない世界に飛び込むことも十分に自覚していた。「試合に出ることが目標だが、力を蓄えるというか、自分よりうまい選手ばかりなので、しっかり見て次の2年、3年につないでいきたい」。二人三脚で大阪桐蔭の金看板を背負ってきた根尾と同じ、謙虚さが際立った。

最高のライバルと離ればなれになり、腕一本で力を示す挑戦が始まる。「まだ早い話だが、一緒に球界を背負っていきたい気持ちもある。『まだまだ下の下だがはい上がって上に行こう』と話した」。丸を逃しても関係ない。近未来、ロッテのセンターには藤原がいる!【久永壮真】(金額は推定)

<藤原解体>

▼腕 腕相撲は大阪桐蔭では負けなし

▼手 左89キロ、右84キロの握力。リンゴを握りつぶした経験あり

▼胃 果物が大好き。ラーメンでは豚骨と担々麺

▼首 規格外パワーで中学の軟式野球部では手に負えないと1日で退部を勧められる

▼目 「眼力があり、いい目をしている」と林球団本部長

▼走 50メートル 5秒7「自分の武器は足なので」

▼攻 甲子園通算5発

▼守 遠投110メートル

▼兄 海成さんは16年夏で休部となったPL学園最後の野球部員(外野手)。もらったお守りをかばんに忍ばせプレー

▼家 負けず嫌い。小さい頃からゲームで負けては、勝てるまで挑み続けた。部活引退後、実家から通うようになり家族の時間が増え「今の時間を大切にしたい」と家族思いな一面も

◆藤原恭大(ふじわら・きょうた)2000年(平12)5月6日、大阪府生まれ。小6でオリックスジュニアに所属。枚方ボーイズでは小園海斗(報徳学園=広島ドラフト1位)らと全国V。大阪桐蔭では甲子園に4度出場し、甲子園通算5本塁打は森友哉に並ぶ左打者最多。9月のU18アジア選手権では18打数8安打(打率4割4分4厘)でベストナイン。50メートル走5秒7。遠投110メートル。181センチ、78キロ。左投げ左打ち。