オリックスが8日、阪神にFA移籍する西勇輝投手(28)を巡り、仰天プランをぶち上げた。人的補償を選択した場合の候補について、福留、鳥谷、糸井、能見、藤川の名前を列挙。球団首脳は「プロテクトから外れてたらいきますよ」と大物どりを宣言した。もちろん、阪神がこの5人をプロテクトから外すとは思えず、オリックスが心理戦を仕掛けた形。阪神も「若手がほしいからそう言ってるかもしれませんよ」と応酬し、場外バトルが開戦だ。

オリックス首脳から仰天発言が飛び出した。前日西が阪神へのFA移籍を表明。次の焦点は、オリックスが金銭補償か人的補償のどちらを選択するかに移った。そして人的補償を選んだ場合について言った。「福留、鳥谷、糸井、能見、藤川」。阪神が誇る5人のスター選手を名指し、不敵に笑った。「プロテクトから外れてたらいきますよ。(金子、中島らが退団し)主力、ベテランがいなくなったわけだから、経験者を加える考え方もあると思います」。

西で福留をもらう? 西で鳥谷をもらう? 西で糸井をもらう? 首脳はまたまたニヤリだ。「(退団した)中島、金子、西らで(18年年俸を合計すると)12億円浮くわけだから」。12億円の主な内訳は金子の6億円、中島の3億5000万円、西の1億2000万円。その3人が抜けた分は補強費に回せる。挙げた阪神の5選手は全員高額プレーヤーだが、プロテクトから外れていた場合に支払える年俸資金は余裕であるというわけだ。

もちろん、阪神がこの5人をプロテクトから外すとは到底思えない。オリックスも本音では、この5人が外れるとは思っていないだろう。だが、関西のライバル球団に西を取られた形で、しっかり補償はいただきたいところ。エース金子の退団もあって戦力補強は必須だけに、まずは心理戦を仕掛けて先手を打った形だ。

だが、伝え聞いた阪神サイドも黙ってはいない。「主力5人狙い」発言に球団幹部は「逆じゃないですか?」と苦笑い。「若手がほしいからそう言ってるかもしれませんよ」と心理戦に応戦した。

阪神はプロテクト28人の名簿について、矢野監督らと話し合って作成準備を進める。オリックスの思惑をどう見抜き、どんなリストを作成するのか。師走の“関西ダービー”が、激しい駆け引きで幕を開けた。