東北球界から巣立った大学日本代表の慶大(東京6大学)郡司裕也捕手(3年=仙台育英)と、東洋大(東都)佐藤都志也捕手(3年=聖光学院)が、新主将就任の決意を語った。郡司は高校時代に明治神宮大会優勝や夏の甲子園準優勝。佐藤も2年連続甲子園出場の実績があり、ともに大学でもベストナインなどの活躍でリーグ優勝を経験。来秋のドラフト候補として、ラストイヤーに挑む。【取材・構成=鎌田直秀】

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東洋大・佐藤は「背中で語れる人になりたい」と主将像を描いた。チーム目標は「奪還」。今秋はリーグ戦4連覇を逃し、全国舞台でも昨春、今春と初戦敗退するなど11年を最後に日本一から遠ざかっている。

佐藤 打撃では、こいつならやってくれるという存在になる。今までのリーグ戦は打率4割、3本塁打、15打点を掲げていましたが、4年では3冠王。全国の誰もが認めてくれる最強打者になれるようにしたい。それが、プライドを持って取り組める言葉だと思っている。チームの結果にも必ずつながる。

3年前の悔しさが、力強い決意につながっている。聖光学院3年時のドラフト会議。プロ志望届提出も指名されなかった。大学進学後も捕手として1年春から出場し、2年春からは一塁手に転向して打撃での存在感を示し続けてきた。首位打者とベストナインも獲得。3年春からは捕手に復帰し、今秋ドラフトでDeNA1位の上茶谷大河投手(4年)ら上位指名された「投手3本柱」をリードしてきた。

佐藤 プロのスカウトを見返すことが出来るくらいの成長を証明したかった。個人としての将来は、プロになることしか考えていません。

今夏は大学日本代表として人生初の日の丸を胸にプレーした。米国、オランダ遠征では外野手も経験。他の守備位置を経験することで、リード面も客観的に分析できたことはプラス材料。オリックス2位の頓宮裕真捕手(亜大4年)らのスローイングやショートバウンドへの意識の高さも学んだ。打撃では楽天1位の辰己涼介外野手(立命大4年)や同6位の渡辺佳明内野手(明大4年)ら左の好打者から下半身主動のスイングを伝授されてきた。

昨春、動画で見た西武栗山巧外野手(35)の姿、言葉に魅了され、野球人として背中を追っている。スタメンでも代打でも準備を怠らず、勝負どころで結果を出す姿だった。

佐藤 「自分の結果がどうでもいい。チームが勝てるために準備し、バットを振り続けてきた」という言葉でした。男気(おとこぎ)あふれる背中に感動した。男が男にほれたという感じ。頼れる男になって、栗山さんを超えたい。

福島の実家に飾っているサインボールは宝物。主将として、主軸として、守備の要として、プロ入りの夢をかなえる最終準備の1年が始まった。

◆佐藤都志也(さとう・としや)1998年(平10)1月27日、福島・いわき市生まれ。平六小3年から、みまやソフトボール少年団に所属。平二中では軟式野球部でプレーし、選抜チーム松風クラブで全国大会出場。聖光学院では1年秋からベンチ入りし、2年夏に甲子園8強。東洋大では1年春から出場。遠投110メートルの強肩に加え、50メートル5秒9の俊足も武器。180センチ、80キロ。右投げ左打ち。家族は両親と姉2人、祖父母。