オリックスのドラフト6位、JX-ENEOSの左沢優投手(23=横浜商大)が23日、「60試合登板」を目標に掲げた。

この日は母校の横浜隼人(神奈川)で同校OB会主催の野球教室に参加。通学2時間の高校時代、大学、社会人と猛練習を積んでプロに駆け上がった左腕は、約160人の野球少年たちに「好きな野球を一生懸命やってほしい」とメッセージを伝えた。

背中に「HIDARISAWA」と少し長いネームを背負うルーキーには、目指すべき背中がある。同じ変則左腕の楽天高梨雄平投手(26)、ソフトバンク嘉弥真新也投手(29)はともに、JX-ENEOSの先輩。「おふたりとも、厳しい場面でリリーフしている姿がすごいな」と尊敬している。

2人はドラフト下位指名(高梨は9位、嘉弥真は5位)ながら、プロ1年目からリリーバーとして結果を残したことも、左沢にとっては刺激になっている。「ぜひ続きたい。中継ぎで60試合に登板できるよう、いい結果を残していきたい」と、先輩たちの姿を自身に重ねている。

度胸満点のピッチングのように、言葉が迷いなく出てくるのも頼もしい。「プロの世界は楽しみです。常にわくわくした気持ちでやりたいですね。不安要素ももちろんあります。でも野球が好きでずっとやってきたので、その原点を忘れずにやっていきたいです」。

隣でうなずく同じ横浜隼人のOB、阪神小宮山慎二捕手(33)は来季プロ16年目。1軍出場は決して多くないものの、腐らず、人知れず努力を重ねてきた。先輩のプロ入り当初と同じ60番を背負う左沢は「野球をやれる間は、全力でプレーしたいです」と息の長い選手を目指す。