新任のソフトバンク藤本博史3軍監督(55)が、3軍を大胆に改革する。今季まで1軍打撃コーチだったが、来季からは育成選手主体の3軍を任される。「2軍に上がっただけでは支配下にはなれない。1軍で必要と言われるまでにしないといけない」。現在支配下登録は65人。24人の育成から1人でも2人でも昇格させたい。

一芸強化、長所を伸ばす。左の大砲候補大本、パワフルな砂川、来季から育成となる高校通算97発の黒瀬の3人には打撃練習の比率を重視させる。「個性を出さないと。短所を直すより長所を伸ばさないと。3軍の試合では打率3割でなく5割、6割打たないと」という。

現役時代の苦い思いも生かす。ダイエー時代、ある打撃コーチからは「長打が魅力だから引っ張れ」、ほかの打撃コーチからは「打率を上げるために、二塁手の頭を狙って打て」と正反対の指示を受け、迷った。2月キャンプでは迷いを生じさせないように、2軍の新井、大道コーチ、3軍の吉本コーチと話し合う。「10人いれば10人タイプが違う。情報を共有すること。今季まで2軍で打撃を教えていた飯田(3軍外野守備走塁コーチ)も気がついたことは言ってもらって」。

守りや走りが売りの野手も長所を伸ばす。「1、2年目は体づくりだが、それ以外は2皮も3皮もむけないと」。個性を伸ばし、底上げする。【石橋隆雄】