輝星よ、ありのままでプロの世界へ飛び込んでこい! 日本ハム栗山英樹監督(57)が2日、ドラフト1位の金足農・吉田輝星投手(17)に「レリゴー輝星」指令を出した。超一流への近道は高校時代と変わらず自然体でいることが大事と説いた。特別なことをする必要はない。近未来の大エースへ、ありのままの期待を寄せた。

栗山監督が新年早々、うれしそうに「アナと雪の女王」のテーマソングを歌った。「ありの~ままで~♪」。ついに幕を開けた吉田輝のルーキー元年を祝うかのように、指揮官が歌声を響かせた。もちろん、意味がある。「そんな感じで、来てくれればいいよ」。曲のタイトル「Let It Go~ありのままで~」のように、ありのままでプロの世界に来てほしい-。大物新人へのメッセージを、めったに披露しない美声に乗せた。

期待のドラ1へ伝えたいのは、最初から特別なことをする必要はないということだ。「どの選手もそうだけど、能力があるから、こちらは評価した。そのまま勝負してほしい」。昨夏の甲子園で見せたストレートの質の高さ、度胸の良さ、スター性など総合的な評価がドラフト1位指名につながった。ステージが変わっても、まずは等身大の実力を真正面からぶつける必要性を説いた。

指揮官が求めるのは、自ら考えて進化の道を歩んでいくこと。「最初から変える必要はない。自分に足りないモノがあれば、変えればいいんだ」という。大谷も清宮も、最初はありのままで勝負した。成功と失敗を繰り返しながら、大谷は日本で活躍し、大リーグ1年目で新人王に輝いた。清宮も昨季は打撃フォームを試行錯誤しながら7本塁打。それぞれが課題と向き合いながら結果を残した。

「自分を信じてやってくれ」と栗山監督は願う。ありのままで野球に向き合えば、吉田輝も日本一の投手への道を自然と歩むことができるはずだ。【木下大輔】