日刊スポーツ読者の皆さま、新年あけましておめでとうございます。山田です。わたしは昨年12月からハワイに滞在しています。

実は、山田家は、1月2日はファミリーで初詣に出掛けるのを慣習としてきました。子供たちには、どこにいても「2日」だけは自宅に集合を命じてきた。

だから、毎年ハワイに行っても、年末には必ず帰っていました。ところが、今年は、家内と2人でハワイで年を越しました。他意はありません。

でも親のほうが全員集合を決めておきながら、自分たちで約束を破ったわけで、子供たちからブーイングを浴びても仕方がなかった(笑い)。

ダイヤモンドヘッドのすそから上がる日の出を見ながら、海に沈んでいく夕日を眺める。前振りが長くなりましたが、そんなのんびりした年明けでした。

さて、年頭にあたってのテーマは「日本代表」です。東京オリンピック(五輪)を翌年に控えた今年は野球界にとって大切な年。11月開催で五輪予選を兼ねる「プレミア12」から真剣勝負になります。

先日、ある会合で王さんが野球を「国技」と表現していましたが、国民的スポーツとして、ホスト国の日本には大きすぎるほどの期待がかかっています。

わたしが思うには、日本が投手力で負けることはないはずです。まず、第一のポイントは「人選」、ここを間違わなければ大丈夫でしょう。

メンバー選考は、スピードボールより制球力に重点を置くことが基本です。どれだけ球速があっても、コントロールが定まらないタイプは難しい。球数制限もあるし、四球で走者がたまることは避けたい。

それに、フォーク系の球種を操れるピッチャーを選ぶべきです。前に国際大会で主戦の則本(楽天)が打たれたシーンを見ていても、スライダー系にはついてこられていた。落ちる球は効果的です。

また、左ピッチャーの供給にはこだわりたい。これは日本球界の現状だが、強力なサウスポーが見当たらない。ここはポイントになります。

あとは起用法で、なんとかリリーフの役割をこなせる人材を確保したい。専門職を選ぶのか、先発から回すのかは、稲葉監督ら首脳陣の判断になる。

野球は08年北京五輪以来、3大会ぶりの競技復帰です。東京五輪で野球・ソフトボールを世界に発信しながら、これを24年パリ五輪につなげたい。その意味では、日本代表は金メダル以上の使命を背負っているといえるでしょうね。(日刊スポーツ評論家)