開港の地から西武の新キャプテンが、日本一への道のりを出航した。秋山翔吾外野手が11日、静岡・下田での自主トレを公開。砂浜で約1時間、シャトルランを中心に下半身をいじめ抜いた後に守備練習。バットを持てばティー打撃で念入りに振り込んだ。

4月に31歳を迎えるが「(シーズン中)痛いところとかはあるけれど(年齢に)逆らっていけるようにしたい」と、衰え知らずで年齢を逆行する。

女子プロ野球選手7人と後輩の鈴木ら4選手を含めた「チーム下田」のユニホームは、伊豆急下田駅前のお土産店で、1枚1630円で購入した黒船Tシャツだった。下田の象徴を背中に背負いながら、野球漬けの濃密な時間を送る。

165年前、下田開港から始まった米国との交流。今ではプロ野球のトップ選手が自ら海を渡りメジャー挑戦する時代になった。年末、その思いを口にしていた秋山は「船だと遠い。行くなら飛行機ですね」とちゃめっ気たっぷりに言った後、真剣な表情で「でもアメリカのことは今考えることではない。結果が出なければないわけだし、シーズン終わったときに選択肢としてあるのかどうか」とシーズン中は“鎖国”宣言。リーグ連覇と日本一に向け全力を尽くす。

今季から主将に指名され「いろんな選手が自覚をしてくれればチームは強くなる。できないキャプテンをカバーしてもらえたら」。サポートを得ながらかじ取り役を担っていく。【栗田成芳】