定説から逆行する。西武栗山巧外野手が12日、埼玉・所沢の西武第2で自主トレを行った。

坂道ダッシュで追い込み、室内ではマシン打撃を繰り返した。一見、スタンダードな内容だが、練習のとらえ方をプロ18年目にして変えた。「練習のための練習をやる。キャンプで出遅れないためにしっかり練習をやりたい。練習を一生懸命やるということの裏返しですね」。アプローチに変化をつけた。

練習のための練習をするな、試合のための練習をしろ-。野球界だけでなく、スポーツ界では当たり前のように言われてきた定説。栗山はプロ17年目の昨季を終え、これまでの経験と直感を頼りに、ふとキャンプを見据えたオフの過ごし方を考えた。「(キャンプで)もう少しやりたいのに、体力が原因で練習をやめることがないようにしたい。疲れたらやめるのではなく、もう1歩先にいけたら、またうまくなれるんとちゃうかなって」。定説とは逆の発想で成長を求める。

07年から12年連続100試合出場を続ける西武の“顔”は、リーグ連覇に不可欠な存在。「(開幕まで)時間がない。まずは2月のためにやった方が、目標が見えてくる。そう思えたことはなかった」。18年目でたどり着いた境地。変化を恐れずにオフを過ごす。【栗田成芳】