ただでは転ばない。3年目の巨人高田萌生投手(20)が26日、川崎市のジャイアンツ球場で自主トレを行い、今月中に予定していた中日松坂大輔投手(38)との合同自主トレが延期になったことを明かした。昨年10月下旬に上原から連絡先を聞き、直接電話で懇願。実現とはならなかったが、あきらめずに電話やLINE(ライン)で粘り続け、金言を授かった。

思いが実った。今月19日、米国に滞在する松坂から「日程的にも厳しいから、次のオフ以降にしよう」と連絡が入った。高田は「残念ですが仕方ないです」と気持ちを切り替え、課題を伝え、アドバイスを求めた。多くの助言をかけられたが「理想は力感なく力強いストレートを投げること」との言葉が心に残った。「ストレートと変化球の腕の振りが変わらないようにしたい。まだまだ松坂さんのようにうまくいきませんが、自主トレでは意識して取り組んでいます」と頭いっぱいに師匠の金言を巡らせ、鍛錬を積んでいる。

ブルペンでは30球中20球を課題のセットポジションに割いた。「自然体で投げることを心がけています」と力強い直球を構えたミットへ正確に投げ込んだ。さらに「松坂さんのように斜めに曲がるイメージで投げたい」という挑戦中の縦スライダーも披露した。春季キャンプは初の1軍スタート。2月3日のチーム初実戦へ「アピールできるように、万全の状態で臨みたい」とペースを上げている。

昨季はイースタン・リーグで最多勝、最優秀防御率、最高勝率の投手3冠を獲得。昨年11月のMLB選抜戦では先発に抜てきされるなど、ホープとして期待をかけられる。「いつか投げ合えるように頑張りたいです」と1軍のマウンドで相まみえる日を夢見て、成長を続ける。【桑原幹久】