感謝を胸に-。ロッテのドラフト1位藤原恭大外野手(18=大阪桐蔭)が26日、大阪・大東市の同校で行われた卒業式に参加。両親への思いを口にした。「ここまで育ててくれて、家族あっての自分。感謝したい。しっかり自立して、いい報告ができるようにしたい」。18年間を振り返るように言葉を紡いだ。

高校最後の朝は、両親と3人で学校へ向かった。「もう卒業やな。3年間早かったなぁ」。のどかな車中で終わった。心の中では「親も大変だったと思う。こんなにサポートしてくれる親はいない」と甲子園優勝翌日に寮を出て以降、毎朝送り迎えしてくれた両親に心から感謝していた。

母の道子さんは、往復2時間30分の時間が毎日の楽しみだった。「ずっと寮生活で話せなかったので『こういう友達がいてね…』とか、1年生のころから話してくれました。その時は野球の話はせず、普通の高校生の会話で、顔でした。その時間が密だったから、今は寂しい気持ち」としみじみ言った。

父の史成さんは成長を実感しつつ、18歳の息子が心配でもあった。「この3年間で大人になり、いろんなことが1人で出来るようになった。頑張っている姿を見ているけど、まだ20歳にもなっていない。不安な気持ちもあります。今日も『ゆっくりしていったら』と言いましたが『(インフルエンザで)出遅れて、練習したいからもう出るわ。勝負してくる』と言って出て行きました。『頑張りすぎるなよ』と伝えましたが、やはり心配です」と本音が漏れた。

卒業式後は当然のように同級生に囲まれた。新幹線の時間もあり、家に帰って急いで荷造り。息をつく暇もなかった。お父さん、お母さん、ありがとう。【久永壮真】