日本ハムの米アリゾナキャンプで6日(日本時間7日)「早実対決」が実現した。斎藤佑樹投手(30)と清宮幸太郎内野手(19)が実戦形式の練習で初対戦。斎藤が投じた19球のうち、清宮は9スイングで1本の柵越えを含む安打性3本を放った。先輩後輩とも、まもなく始まる実戦へ向けた感覚を養い、見守る周囲は注目の対戦を楽しみながら見つめた。

かみしめるようにバットを振った。清宮が、憧れの斎藤と初めて対戦した。フリー打撃の9スイングで安打性は3本。実戦形式では“今季1号”となる左中間への本塁打を放った。「いろいろ、思うところはありました。対戦する以上は、打つ気持ちは常に持っていました」。晴れやかな笑顔を見せた斎藤とは対照的に、表情は最後まで硬かった。

練習前に対戦が組まれていることを知り、思わず「マジか…」とつぶやいた。

斎藤が優勝した06年夏の甲子園をアルプス席で観戦し、早実進学を決めた。フリー打撃ながら、大先輩との対決が実現。「ああやって(打席からマウンドを)正面から見るのも初めて。意識するものがあった」。バットを折られ、ファウルで食らいつくなど計19球を堪能した。

勝敗には「そんなのない。お互い始まったばかりですし」と執着しなかった。三塁付近で見つめていた栗山監督からは、注文を付けられた。「打者は、この時期初めて投手の球を見るから大変なのは分かるけど、幸太郎には文句が多いよね」と辛口。「どれだけ(バットの)芯で捕まえた? みんなが思っているより、本当にレベルが高いと思っているからこそ」と、ハッパをかけられた。

この日、キャンプスタートから初めて全メニューを消化した。右手首の炎症からの回復は順調で、9日(同10日)の紅白戦へ着実にと歩を進めている。「こういう練習を大切にしたい」。先輩との対戦を糧にする。【木下大輔、田中彩友美】