阪神矢野燿大監督(50)が27日、宜野座キャンプを高評価した。就任1年目で初めての指導。27日間の鍛錬を終え「特に野手は高いレベルで競争をしてくれて楽しみで、いい悩みがたくさん増えた。充実したキャンプになりました。90点ぐらいですかね」と振り返った。

ナインに競争と自主性をあおる。新人木浪が打撃で非凡さを見せ、内野争いに殴り込み。一気にヒートアップした。外野も中谷、江越、高山が実戦で本塁打を応酬する猛アピール。激しく火花を散らし、レギュラー争いは3月に持ち越す。

指揮官自身はブルペンに足しげく通った。主戦のメッセンジャー、新顔の西、ガルシアの3枚看板に信頼を寄せる。3人を名指しして「ほぼ間違いなく入ってくる」と開幕ローテーション入りを明言した。注目は3月29日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)の開幕投手だろう。近年はキャンプ中にメッセンジャーに大役を通達していたが、今年は慎重に見極めるスタンスだ。

「もう少し、考えていきたい。(3月)中旬までにはもちろん決めていかないとダメだと思うけど、もうちょっと見ていきたい」

3月中旬までに決断し、3枚看板の三つどもえのバトルになりそうだ。課題も浮き彫りになった。「どこまでいっても100点はない。投手がもうちょっと出てくるかなと思って…」。先発候補の藤浪が不調で、小野が右肘違和感でペースダウン。期待の才木や望月も及第点の登板にならず、10点の減点だ。本番まで1カ月で戦力を整えていく。【酒井俊作】