来日が遅れているソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手(32)に開幕2軍の可能性が出てきた。森浩之ヘッドコーチ(54)が1日、ビザ取得に時間を要している助っ人について昨季までのレギュラー保証はないと明言した。最大4の外国人枠を巡り、順調に調整を続けるほかの支配下登録6人と競争させる。7日か8日予定の来日後、首脳陣が方針を本人に通達するという。

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チームのオフにヤフオクドームを訪れた森ヘッドは、特権はないと明言した。ビザ発給の手続きで、まだ来日していないデスパイネについて「まずは来てもらわないとわからないが」と前置きした上で、踏み込んだ。「これまでのように確実にデスパイネは1軍というわけではない。結果優先。外国人7人はみんな1軍クラス。枠は4人しかない」。本拠地で今季初のオープン戦を翌日に控える中、重みのある発言だった。

2月上旬に行われたカリビアン・シリーズでデスパイネは好調な打撃を見せている。本来の力を発揮すれば今季も不動のクリーンアップとなるが、昨年のようにスランプが長い場合はほかの外国人を優先し2軍で調整させる。昨年は3、4月全23試合に出場も打率1割6分9厘、4本塁打、11打点とつまずいた。7月も全18試合に出て打率1割9分7厘、4本塁打、6打点だった。森ヘッドは「もちろんデスパイネがガンガン打てばグラシアルがファームということになる。だが、昨年みたいなら我慢はできない。そういう扱いは初めてになるが」と明言。7日か8日の来日後、首脳陣の考えを本人に伝えるという。

7人の外国人の起用法こそ、リーグ優勝奪回、3年連続日本一への大きなカギとなる。昨季の股関節手術から復帰したサファテが絶対的守護神と考えているが、故障明けで開幕から無理をさせないプランもある。股関節痛で出遅れている嘉弥真が間に合わない場合は、左の中継ぎモイネロの優先度が高くなる。千賀、東浜に続く日本人投手が手薄な先発陣も左腕ミランダ、安定感のバンデンハーク、今季から先発転向のスアレスを最大限にやりくりしていく。

森ヘッドは「うれしい悩みというより頭が痛い」と苦笑い。すでに何パターンものシミュレーションを繰り返している。調子のいい選手を優先するために、デスパイネだけを特別扱いするわけにはいかなくなった。【石橋隆雄】