2年目の進化を予感させた。日本ハム清宮幸太郎内野手(19)がオープン戦1号を放った。4回1死二塁、DeNA石田が投じた内角寄りの初球131キロ直球を、右翼席中段へ運んだ。チームにとっても今季の“本拠地1号”は、昨季1軍で1本もアーチを放てなかった左腕からマーク。期待の大砲が、絶賛成長中だ。

   ◇   ◇   ◇   

手応えとは裏腹に、打球は切れなかった。清宮は「ファウルかなと思った。打球も戻ってきてくれた。いい伸び方をしてくれたと思います」。4回1死二塁。初球の131キロ直球が内角へ来た。柔らかく両腕をたたんで、さばいた一打は右翼席中段へ突き刺さった。「たまたまです」と謙遜したが、お手本のような内角打ちだった。

2年目の進化を予感させた。昨季は1軍で7本塁打も左投手からは0本。「あまり気にはしてなかったです」と話すが、金子打撃チーフ兼作戦コーチは「チャンスの場面で左投手の初球からスイングできたことが良かった」と評した。昨季は受けに回り、チャンスでも初球から手を出せない場面があった。この日は本塁打を打つ直前に石田がマウンド上で間を取ったが、惑わされず。打てる球を初球から振れたことが、1年目との違いだ。

同コーチは「追い込まれてからの成長は、もう見えている」とも指摘した。2月のキャンプ中の実戦では追い込まれても粘り、四球を選ぶことも多かった。打つべきボールを打ちにいく意識が向上しているからこそ、清宮は5回の第3打席を反省した。ボール球に手を出して3球で空振り三振。「最後の打席は、もったいなかった。ああいうのは減らしていきたい」と肝に銘じた。

後輩にも先輩の貫禄を見せた。今日3日の試合前に行われる新入団選手紹介に合わせて、この日は新人選手がベンチ入り。ドラフト6位の田宮裕涼捕手(18=成田)は「試合中に僕らが何をすればいいのか、どこに座るのかなど教えてもらいました。ホームランより次の打席を反省していたり、やっぱりすごいです」と目を輝かせた。清宮はルーキーイヤーの経験を確実に実力へ転化している。状態は「いいと思います」。初の侍ジャパン、初の開幕スタメンへ視界良好だ。【木下大輔】

▽日本ハム栗山監督(オープン戦1号を放った清宮に)「本塁打は良かったけど、アウトのなり方が気になってしょうがない。求めているものは高いので」