阪神矢野燿大監督(50)が3日、今季の開幕投手にランディ・メッセンジャー投手(37)を指名した。

メッセンジャーはこの日のソフトバンクとのオープン戦(ヤフオクドーム)で1回に満塁弾を浴びたが、2回以降は立て直して3イニングを投げて4失点。順調に調整を重ねており、29日の開幕ヤクルト戦(京セラドーム大阪)の開幕戦先発が決定。自身5年連続6度目の大役となる。今季から日本人選手扱いの大黒柱に矢野阪神初陣が託された。

矢野阪神の初陣は堂々と大本命を立てる。2月の沖縄・宜野座キャンプから競わせた開幕投手争いがついに決着した。ソフトバンク戦に敗れた直後の三塁ベンチ裏ミラールーム。先発メッセンジャーの話題が始まると、矢野監督自ら、さらりと切り出した。「開幕はランディでいくわ」。来日10年目の助っ人に29日の開幕ヤクルト戦先発を託す。

メッセンジャーは1回、松田宣に高め速球を捉えられ、満塁弾を浴びたが、2回以降は本領発揮。フォークの精度が高く今宮、上林、柳田を空振り三振に仕留めるなど、変化球を駆使した組み立てで残り2イニングを6人で片づけた。3回4失点も心配ご無用。「全体的に投球というか、緩急をうまく使いながら、丁寧に投げているという感じがあった」。指揮官の信頼は揺るがない。試合後に通達され、5年連続6度目の大役が決まった。

大黒柱は健在だ。矢野監督は昨秋の就任当初から開幕投手を白紙にして、若手を巻き込んだバトルを仕掛けた。才木が名乗り出て活発化。ガルシアや西も順調に調整してきた。だが最有力候補は1度も揺るがなかった。

「俺のなかでは、ある程度は決まっていた。若い投手がもうちょっと食い込んでくると面白いけど総合的にそういう形にならなかった。ランディの方がすべての部分で気持ちも、やっている姿勢もやっぱり任せようと。任せたいと思えた。チームごと背負えるのはやっぱりランディなのよね」

メッセンジャーは昨年4月に国内FA権を取得し、今年は日本人選手扱いになった。外国人枠を外れ、いきなり矢野阪神初陣の先発マウンドに立つ。常にオフは「開幕投手は俺」と公言。心身ともに充実のタフネスぶりが光る。この日も「キャンプはゆっくりやってきたので、これからイニングを投げることが大事。ベストな状態に上げていきたい」と自覚たっぷりだ。

頭髪に白いものも混じるがまだまだ意気盛んだ。4度目の開幕星なら球団最多タイ。日米通算100勝にも王手をかける。レジェンド助っ人が今年も阪神の生命線になる。【酒井俊作】