マツダ1号! 広島会沢翼捕手(30)が巨人とのオープン戦で今年1号を左翼席に運んだ。

12年に顔面死球を受けるなど因縁の巨人山口の失投を積極打法で捉えた。守っても先発床田を好リード。昨年まで11年間苦楽をともにした巨人丸から三振を奪った。今年も正捕手、強打者、そして選手会長と3足のわらじをはくコイの兄貴がチームを引っ張っていく。

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甘く入った失投を逃さなかった。9番に入った会沢は3回、高めに浮いた真っすぐを強振。「全然入るとは思わなかった」ライナー性の打球は、そのまま左翼席に吸い込まれた。2019年本拠地マツダスタジアム第1号を選手会長が豪快にぶっ放した。

「調子うんぬんじゃない。まだオープン戦なので、投手と勝負できるか」

山口から打った。12年に当時DeNAだった右腕から顔面に死球を受け、鼻骨骨折。昨年は2打席連続死球に珍しく感情をあらわにして激高した。因縁のある相手から今年1号で、オープン戦は4試合8打数6安打で打率7割5分、1本塁打6打点と打ちまくっている。選手会長で正捕手。昨季規定未到達ながら打率3割をマークした打棒も健在だ。

この日は、1学年下で、巨人へ移籍した丸と初対戦。昨年まで11年間ともに汗を流してきた仲間だけに、初めて後ろから見る赤ではないユニホーム姿に「不思議な感じがした」とほほえんだ。捕手として対戦した2打席は、1打数無安打1三振1四球に抑えた。「プロである以上、結果が求められる。向こうも必死になってくると思うので、こっちも必死に抑えたい」。6日の再戦以降も丸対策を練っていく。

春季キャンプ打ち上げ時には「過信と慢心は最大の敵。必死に戦っていきましょう」と名ぜりふでナインの士気を上げた。4連覇には攻守の要でありチームの精神的支柱でもある会沢の貢献は欠かせない。【前原淳】