元プロ野球選手の清原和博氏(51)が6日、都内で開催された厚生労働省主催の依存症の理解を深めるための普及啓発イベント「誤解だらけの“依存症”in東京」に特別ゲストとして出席しトークショーを行った。

清原氏はイベントなどの公の場に姿を見せるのは16年の覚せい剤取締法違反事件以降、初めて。

清原氏は16年2月に覚せい剤取締法違反で逮捕され、5月に懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を受けている。この日は、国立精神神経医療研究センターの松本俊彦氏と約180人の来場者を前に約10分間、依存症について語った。

この日の清原氏は黒のスーツにブルーのシャツに紺のネクタイで登場。以前より、少しふっくらした様子で「こんばんは、清原です」とあいさつ。

出演を決めたことについて「逮捕されて3年になるんですが、こつこつと治療してきて、それが厚生労働省に認められたのかなと思うとすごくうれしいと思いました」とし「少しでも自分のように苦しんでいる人のためになればと、すぐに出演を決めました」と語った。

薬物治療について「大きなひとつのきっかけが逮捕されたこと。自分が立ち直っていく上で、どういったことをすれば良いかと考えた上で、薬物の専門の病院に通うと自分できめました。2週間に1回、病院に通いテキストを勉強したり薬物について勉強するにつれ、自分がどうだったのかと理解できたのですごく良かったと思います」と明かした。

その上で、依存症に苦しむ人に向け「自分の体験なのですが、薬物は一時的に止められても止め続けるのは自分自身では難しいことだと思います。勇気を出して専門の病院にいってほしいですね」と呼び掛けた。

また、依存症の家族などの周辺者に向けても「自分も、いろんな人に支えられています。自分の身近な人に正直にものを言えることが一番変わったことだと思いますし、薬物を使っていた時は使いたいため、うそをつき、自分を追い詰めていってしまい、そういう苦しみの日々でした。それが近くにいる人の理解があることが一番大きいことだと思います」と語った。

イベント終了後、囲み取材に応じた松本氏は清原氏について「とても真面目な方だなと思いました。とても真摯(しんし)で、真摯であるがゆえに思い詰めてしまうんじゃないかと。そして、今現在は、一生懸命治療を続けているんだなと感じました」と印象を語った。そして「このような場所に出て正直に自分のことを話すのは回復の上で大事なこと。今回の件が清原さんにとって回復のプロセスの1つとなって、出る以前よりも進んでいると感じます」と話した。

厚労省の担当者によると、松本氏が清原氏と知り合いだったことから出演が決まったという。

この日は他に、サッカー元日本代表の前園真聖氏(45)歌手の大森靖子(31)も登壇した。