先発に転向した巨人沢村拓一投手(30)が、投球スタイルを先発仕様に変えた。7日、川崎市のジャイアンツ球場で行われた2軍練習でシート打撃に登板。宇佐見ら打者9人を無安打に抑えた。リリーフでは投げる頻度の少なかったツーシーム、スライダー、カットボールを多めに投球。2四球を与えたが、4三振を奪った。14日の教育リーグ楽天戦(ジャイアンツ)での登板が濃厚で、先発争いに一気に食い込む。

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沢村はシート打撃に登板中、対戦した各打者にボールの軌道を入念に確認した。リリーフ時は直球、フォーク主体だったが、ツーシーム、カットボール、スライダーを多投。先発転向に向け、先発仕様の投球スタイルをテストした。「カウントを稼ぐボール、勝負するボールを投げ分けないと」と明確な意図を持ち、ボールを投げた。

ヒントをくれたのが、岩隈だった。メジャーで先発ローテを守った先輩から「効率よくアウトを取れるだろうから、ツーシームを投げたらどう?」と助言。「長いイニングを投げるのでファウルじゃなく、ゴロを打たせるボールが必要」と解禁した。「カウントを稼げる」スライダー、カットボールもカギに挙げ、新たなスタイルを構築した。

新人王を獲得した11年から沢村を知る阿部には、力加減の助言を受けた。6日の練習でキャッチボール。「これくらいの力でいいんだ」と言われ、この日は「基本的に力まないように。『8割の力で』と思って投げた」。登板後には、三沢2軍投手コーチから投球の間合いがリリーフ仕様で遅かったと指摘され、修正ポイントに加えた。

現状、開幕ローテ争いは開幕投手の菅野、山口、メルセデス、ヤングマンの4人に当確ランプが点灯する。残り2つは新人の高橋、今村、田口、6日の2軍戦で好投した畠らで争われる。開幕ローテ争いに向け、沢村は「ひと言で言うなら、険しい道です。ただ、道を切り開くのは自らの力。人事を尽くすだけです」と覚悟を込めた。【久保賢吾】

 

▽巨人原監督(沢村について)「あと4段ぐらい上らないとね。(6日の2軍戦で)畠がとてもいいピッチングをしたというのが入ってきたし、高橋も非常に良かった。その一角に沢村も入ってこれたらいいなと思いますね」

▽巨人宮本投手総合コーチ(沢村について)「イニング、球数の部分でどこまでもってこれるか」