課題と収穫が詰まったマウンドだった。開幕投手を務める巨人菅野智之投手(29)が、オープン戦ワースト失点となる4回9安打6失点。シーズンでは昨年7月21日広島戦(マツダスタジアム)以来の6失点を「オープン戦とはいえ、ここまで打たれるのは良くないこと。チームの士気も下がる。反省しかないので、次は結果で示せるようにしたいです」と振り返った。

この時期は登板ごとに課題が見つかる。この日挙げたのは変化球の精度だった。3点を奪われた4回2死一塁、福田に制球が定まらず珍しく、ストレートの四球。直後に西浦に3ランを浴びた。勝負勘もシーズンに向けた調整段階。「嗅覚的なところもまだまだ」と3回には西浦にカットボールを、マレーロにはツーシームを痛打された。

実戦2度目の炭谷とのバッテリーも消化不良に終わった。試合前に密に意見交換したが、自らの乱調で「僕がそこに投げ切れていないので、リード以前の問題だと思います」と反省。前回コンビを組んだ2月23日楽天戦は2回2失点。原監督は「2人の防御率はあまり良くないね。本人たちがコミュニケーションを取るでしょう」と、さらなる成熟をうながした。

トータルの結果には猛省でも、投球の細部では収穫も手にした。マレーロの3打席目は今季のテーマに挙げる内角高めから攻め、最後は外角のスライダーで空を切らせた。この日、制球が乱れたのは「感覚的なところ。原因は分かっているので修正できます」と断言。次回14日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)での好投を誓った。【久保賢吾】

▽巨人炭谷(菅野とコンビを組むも4回6失点の乱調に)「受けるごとに『なるほど』と思うことがありますし、経験できているのでコミュニケーションを取りながらやっていきます」

▽巨人宮本投手総合コーチ(菅野に)「終盤は球が浮ついて、ちょっと甘く入ったね。4回で交代したのは球数の問題。あれだけの選手ですから、修正してくると思う。今後の予定も変わらないし、彼に任せますよ」