阪神のファーム施設がある兵庫・西宮市の鳴尾浜球場に異例のフィーバーが9日に起こった。教育リーグ・中日戦が予定されており、阪神は開幕投手に決定しているランディ・メッセンジャー投手(37)が登板予定。中日はドラフト1位の根尾昂内野手(18=大阪桐蔭)が右ふくらはぎ肉離れのリハビリを終え、実戦デビューする。

鳴尾浜球場には午前8時半の開門を前に、約100人が列をつくった。球場関係者は「(開門時に)いつもの3倍のお客さんが入っています」と驚く。普段は地元の熱狂的な虎党でスタンドが埋まるが、この日は中日のユニホームを着たファンの姿が目立った。女性ファンの1人は愛知県内を午前4時半に出発したという。球場側は警備員を通常の3人から公式戦と同じ4人に増員した。

試合前には、中日西山和夫球団代表が視察のために、同球場を訪れた。前夜に都内で行われた激励会に出席後、大阪入り。黄金ルーキーの実戦デビューに合わせ、球団首脳も異例の対応となった。

根尾はチームバスで球場に到着。ファンの混乱を避けるため、阪神が使用する三塁側から、一塁側ベンチに向かった。敵地ながら、他の選手とは「別ルート」でのグラウンド入りとなった。