“最後のPL戦士”とも呼ばれるオリックスのドラフト7位中川圭太内野手(22=東洋大)が、本拠地デビュー戦で1軍初ヒット&マルチ安打を記録した。

若手中心の試合で「6番DH」として先発。4点を追う4回1死一塁から巨人メルセデスの外角低めの変化球をすくい、右前打。6回にも1死で坂本工から右前打を放った。「ほとんど覚えてません。来た球をがむしゃらに打っただけです」。京セラドーム大阪での一戦で8回には内野ゴロの間に打点も挙げたルーキーは、初々しく振り返った。

東洋大時代には大学日本代表の「3番」を担った実力者。キャンプは2軍だったが、力を発揮し、つかんだチャンスで存在感を見せつけた。この日は2本とも右方向への安打で「自分の持ち味である右方向へのヒットが出たので良かった」。西村監督も「いいもの見せてくれました」と目を細めた。

中川はPL学園出身で、卒業した翌16年の夏に同校野球部が活動を休止。最後のPL戦士となる可能性がある。同校出身の先輩、巨人吉川大もこの日の一戦で活躍。中川は試合前に4つ年上の先輩とあいさつを交わし、試合中も「『ナイスバッティング』と言っていただきました」という。

今後は2軍に再び戻り、昇格のチャンスをうかがうが、「逆転開幕1軍を狙っています」と宣言。1軍の舞台を目指し、アピールを続けるだけだ。【古財稜明】

◆中川圭太(なかがわ・けいた)1996年(平8)4月12日、大阪府阪南市出身。尾崎ボーイズで野球を始め、尾崎中時代には泉佐野シニアに所属。その後PL学園に進学し、1年秋からレギュラーに定着。中川が卒業した翌16年の夏に同校野球部が活動を休止した。東洋大では1年春からレギュラーに抜てき。大学3年時には大学日本代表に選出され、クリーンアップを務めた。180センチ、76キロ。右投げ右打ち。