虎への思いを断ち、NPB復帰を目指す。阪神を戦力外となった西岡剛内野手(34)が18日、栃木・小山市内でBCリーグ、栃木ゴールデンブレーブスの入団会見に臨み、晴れやかに決別を宣言した。新天地での背番号は1。昨季までの「5」も提示されたが「5番で戦力外になりましたので、5番をつけたいという気持ちにならなかった。1番というのは一から出発するという意味を込めました」と言い切った。

古巣への感謝はもちろん忘れていない。昨年10月に戦力外通告を受けた後「引退試合をすると球団の方からオファーをいただいた」と明かした。13年から6年間在籍した阪神からの最大限の誠意。それでも「僕は引退をしないという風に答えた時点で、心境のブレはないです。もう1回NPBに戻るだけだと」と現役にこだわることを決めた。

待つのは険しい道だ。BCリーグの給料はサラリーキャップ制で、推定年俸は最大で250万円。NPB球団から声がかかればシーズン途中でも移籍できる契約だが、18年に同じ栃木に加入した村田修一氏(現巨人ファーム打撃兼内野守備コーチ)は吉報届かず、昨季限りで現役引退した。しかし西岡は「僕が進んできた人生は楽な道ではなかった。僕は困難な道を選んできた。NPBに戻るという夢を、この年になっても追いかけるということが僕はうれしい」と前を向く。

ポジション登録は異例の内野手兼外野手。「NPBで外野も経験しましたし、引き出しを身につけて戦っていきたい」と話す。今季のNPB復帰期限は7月末。再起を期す。【島根純】

◆国内独立リーグに所属した元NPB選手 村田修一内野手は17年限りで巨人を戦力外となり、18年はBCリーグの栃木に在籍。NPB最終年の年俸2億2000万円から大幅減の250万円となった。現阪神の藤川球児は、米レンジャーズを退団後の15年途中、四国IL高知に在籍。メジャーでの年俸約1億2000万円から、高知では収入を辞退。16年阪神に復帰した。02年に日本ハムで新人王を獲得した正田樹投手は、11年BCリーグの新潟に所属し、同年オフにヤクルトと契約した。00年ドラフト2位でダイエーに入団した山田秋親投手は、08年オフに戦力外通告。09年に四国・九州IL(当時)福岡に所属。同年オフにロッテと契約した。(金額は推定)