日本ハム中田翔内野手(29)が27日、フェースガード付きヘルメットを導入する考えを明かした。

札幌ドームで行われた全体練習で試用。感触は悪くなく、29日のオリックスとの開幕戦(札幌ドーム)から着用することになりそう。過去には死球による長期離脱も経験しており、二の舞いを踏まないための最善策で、12年目の開幕に備える。

打撃ケージに入った中田は、左耳付近から長く伸びたフェースガード付きヘルメットを装着していた。「きっかけというか…流行り(笑い)。あるものは付けておいた方がいいんじゃない? みたいな」。昨季から日本球界でも、頭部死球に備えて、従来のヘルメットに装着する形で■やあごを守るフェースガードが浸透した。中田もこの日、初めて試用。感触は悪くなかった。

中田 もちろん視野は狭まるけど、そんなに違和感はない。万が一のことを考えて。頭付近に来たボールは避けられる自信がないしね。反射神経的に。

本人は冗談めかすが、導入のきっかけは、決して流行に乗ったわけではない。24日に広島会沢が顔面に死球を受けたが、フェースガードを装着していて事なきを得た映像を見た。「ああいうのを見るとヒヤっとする。ああなったら怖いなぁと思って」。

苦い思い出もある。13年8月21日楽天戦(Kスタ宮城)で左手甲に死球を受け、亀裂骨折。残りのシーズンは、ほぼ棒に振った。12年の日本シリーズでも死球で骨折している。「しょうもないケガはね、少なくしていかないと。骨折してチームを離れたこともあるけど、悔しい気持ちしか残らないから」。当時から死球を避けるのが苦手で、今ではエルボーガードやレッグガードも装着。全ては万事に備えて試合に出続けるためだ。

現状のコンディションは万全だ。「みんな状態が良さそう。体調面でいろいろ抱えている選手はいるけど、みんないい感じで開幕を迎えられるんじゃない。オレも普通。どこも痛いとかはない」。春季キャンプ中は右肩痛や腰痛、左内転筋の肉離れと相次いで肉体を痛めたが、しっかり開幕に間に合わせた。長いシーズンを何の不安もなく戦い抜くために、主将はできる限りの準備を尽くす。【木下大輔】

■は順の川が峡の旧字体のツクリ

 

◆日本ハムのフェースガード使用状況 昨季までの使用者は0人。3月に侍ジャパンに招集された西川と近藤は、メキシコとの強化試合で装着した。ただ、チームに戻った後のオープン戦などでは使用せず、通常のヘルメットで開幕後も打席に立つ予定。この日の全体練習では中田の他に谷口も試したが、全体的には浸透していない。