楽天が粘り強い継投で、今季初のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。先発の辛島航投手(28)が5回3失点でゲームを作ると、一進一退の展開に青山、宋、ハーマン、松井の「勝ちパターン継投」。同点の10回には高梨を起用し、6回以降の西武打線を1点に抑え込んだ。ソフトバンクが敗れたため首位タイに再浮上した。

   ◇   ◇   ◇

6投手による継投で、4時間16分の激闘を制した。

ゲームを作ったのが先発辛島だ。西武戦の先発は9日(大宮)に続いて2戦連続。5回4失点で勝利投手になっているが、2カード連続で同じ相手に投げることには「抑えていても、打たれていても、やりづらい感じはあります。誰が日程を決めてるんですかね?」と笑顔で話していた。ここまで自身2連勝と好調に見えるが、決して状態は良くないという。それでも「変化球で何か1つ、ある程度コントロールできるボールがあればいろんなパターンでいける」。この日の最速は130キロ台中盤。チェンジアップやカーブを駆使し、直球を生かした。「球全体が高かったです。ストライク、ボールがはっきりしていました。逆転してくれた野手のみなさんに申し訳ないです」と反省したが、強力打線にビッグイニングを作らせなかった。

6回以降のブルペン陣も踏ん張りを見せた。2番手の青山こそ、西武中村に1発を浴びたが、宋、ハーマンが1回ずつを無失点。同点の9回から登板した守護神松井は、2死一、二塁のピンチを招いたが、相手4番山川を中飛に仕留め、傾きかけた流れを引き寄せた。延長10回からマウンドに上がった高梨も危なげない投球で無失点。その裏のサヨナラにつなげた。

平石監督も「辛島は点を取られたけどよく投げた。その後のリリーフもよかったね」と評価。投手陣の粘り強さが、楽天の強さを支えている。【鈴木正章】