エースの恩返しだ。巨人菅野智之投手(29)が13日、川崎市のジャイアンツ球場で投手練習に参加。

先発予定の15日阪神戦(東京ドーム)へ調整した。チームは阪神相手に開幕から6連勝中。過去の「伝統の一戦」では67、87年の開幕7連勝が最高で、高橋→菅野で臨む今カードで連勝すれば球団史上初となる。

菅野はリベンジに燃える。前回登板の8日DeNA戦では6回5失点も打線の援護で5勝目が舞い込んだ。試合後には原監督から「鶴でも恩返ししますから」とハッパをかけられた。もちろん、ただでは終われない。「監督も言っていたように、恩返しができるようにしたい」とプライドをにじませた。

主将の背中に刺激を受けた。開幕からの連続出塁を36としセ・リーグ記録を塗り替えた坂本勇に「何から何まで超一流」と尊敬のまなざしを送る。結果を出し続けるバットマンの努力は、1年目から近くで見続けた。「普段の練習からチームメートは見ているので、あれだけの活躍をしても何も驚かない。それが一番すごい」と熱がこもった。

だからこそ、立ち止まってはいられない。前カードのヤクルト3連戦はいずれも先発投手に白星がなかった。「勇人さん1人が頑張っても優勝はできない。ここ最近、先発投手があまり仕事ができていないように感じる」と自らが先頭に立つ覚悟を示す。32年前の87年は江川氏、水野氏、桑田氏ら名投手が阪神の前に立ちはだかった。先陣を切る高橋も「勝ちにこだわりたい」と白星でエースにつなぐと気合十分。宿敵をたたき、首位を守る。【桑原幹久】