主将のバットが止まらない。巨人坂本勇人内野手(30)が前日1日のサヨナラ打の勢いそのままに、2打席連続本塁打でチーム全3得点をたたき出した。1点を追う3回に右翼席へ18号同点ソロ、5回には無死一塁から左翼席へ勝ち越しの19号2ランを放った。本塁打数は鈴木(広島)ら2位に4本差とリーグトップを独走。4日から開幕する交流戦5年ぶりの勝ち越しへ弾みをつけた。

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敵も思わずお手上げだ。同点の5回無死一塁。坂本勇が中日ロメロの内角146キロ直球にタイミングをドンピシャで合わせた。ライナー性の打球は左翼席に一直線。決して失投ではない球を打たれた左腕は両手を上げ「WHY!?」と言わんばかりに表情をゆがめた。2打席連続の19号2ランに「自分でもびっくりするぐらいホームランが出ているので素直にうれしいです」と白い歯をこぼした。

渡しかけた主導権を1発で奪い返した。1点を追う3回1死、外角148キロを右翼席へ運んだ。前日1日にはサヨナラ打を放ち、通算400号を記録した阿部を祝福。この日の試合前練習では監督、選手、スタッフを含めたチーム全員で記念Tシャツを着用するなど、勢いを継続した。

今季51試合目で早くも昨季の18本を超えた。2番では14本をマーク。2番の本塁打数の球団最多は02年二岡の21本、歴代最多の06年ヤクルト・リグスの37本にも迫る勢いだ。400号を放った直後の阿部は「ヒットの延長がホームラン」と捉えたが「僕はホームランバッターじゃないので…」と苦笑い。それでも「何年間か前の練習から、強く遠く飛ばすことを意識している」と試合前練習でロングティーを行うなど、積み重ねが結果に表れた。

原監督も「僕の領域ではないぐらいの領域で野球をやっている」と手放しで称賛。「角度も距離もグラウンドを広く使えていることが今年の特徴」と成長を説明した。4日から4年連続負け越し中の交流戦に突入する。坂本勇は「交流戦はすごく大事。全員で頑張りたい」と先頭に立ち、パ・リーグの好投手を打つ。【桑原幹久】