中日が、藤井淳志外野手で“開幕”だ。1軍今季初昇格で即スタメン。1-0の2回1死一、三塁で、カウント1-1からの楽天辛島の直球を藤井は見逃さなかった。

「感触は悪くなかった。あわよくば入ってくれれば」と念じた打球は、左翼スタンド最前列に吸い込まれた。

今季2打席目での1号3ラン。後輩たちのサイレントトリートメントに、野手最年長は“厳しく”反撃。「やられると気付かないものですね。でも(やられても)シバいていけば、それで終わり」。喜びを隠し、微動だにしない後輩たちの頭をたたいて今季1号を自ら祝った。打線も呼応し、今季最多の13得点。パ・リーグをけん引する好調楽天相手の圧勝劇。5連敗に沈んでいたチームを本拠地でよみがえらせた。

「うれしい緊張感だった」。初回の第1打席では初安打で、先制のホームも踏んだ。今季はキャンプから2軍スタート。約2カ月遅れでの1軍初日で、きっちり結果を残した。「何も無駄な時間はなかった。大切な時間だった。いろんな人に助けてもらった。お立ち台に立つことで感謝を伝えられて良かった」。真っ黒に日焼けした38歳が、交流戦初勝利を竜にもたらした。【伊東大介】