オリックス中川圭太内野手(23)がプロ野球史上初めて、新人で交流戦首位打者に輝いた。24日の「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦で2安打を放ち、打率トップの3割8分6厘でフィニッシュ。逆転の可能性を残していた楽天ブラッシュが全日程終了となったこの日の広島戦で無安打に終わり、栄冠が確定した。

ブレークの舞台裏を東洋大・杉本泰彦監督(59)が明かす。大学3年時は大学日本代表の主軸も任された。スカウトの評価を得ようと本塁打を狙い、引っ張る打撃が多かったという。「本塁打を狙うとおかしくなっていた。ミート力とあれだけのリストワークがあって、右に打つのが天才的にうまい。1発にこだわらなかったら絶対的にいい」。オリックス入団後、本物の本塁打者を目の当たりにした。「プロではパワーヒッターなんて言われる代物ではない。吉田正君のパワーを目の前で見て、切り替えられたと思います」。長打狙い一辺倒ではなく、ヒットマンへの転身が首位打者獲得につながった。

5試合連続マルチ安打&4試合連続適時安打で交流戦を終えた。4割3分2厘の得点圏打率も新人離れした勝負強さだ。「後半戦も頑張りたい」と話す最後のPL戦士が最下位からの逆襲を引っ張る。【古財稜明】