頼れる男だ。ソフトバンク千賀滉大投手(26)が、本調子ではない中、6回1失点でリーグ最多タイの8勝目を挙げた。工藤監督がリーグV奪回のために重要視する球宴までの12試合の初戦、日本ハム有原とのエース対決を制した。

「最低限。それだけ。カットボールもよくなくて、フォークも操れていなかった。直球もよくなかった」という状況で、中盤はツーシームを交えたが、最後は力でねじ伏せた。5回に1点を味方が勝ち越すと、2死一、三塁のピンチで王柏融を、高め直球で左飛に仕留めた。前2試合で5打数4安打と打ち込まれていた近藤には1打席目には四球も「カモが反撃します」と、残り2打席は直球で三ゴロ、中飛と抑えた。札幌ドームは8試合、先発7試合で負けなしの6連勝と不敗神話を継続した。反省ばかりだったが、この日の白星でプロ通算50勝目となったことには「ほほぉ」と笑顔になった。そのうち先発で48勝を挙げている。

工藤監督は「よく粘った。何とかしようという思いがあるから何とかとどまってくれる。成長を感じる」とほめた。球宴までの12試合、千賀は中5日で3試合登板とフル回転する。そのためにこの日も6回114球で交代した。千賀は「勝ちがひとつついて始まるのはいいかな。球を操れていないので、1週間の過ごし方を見直したい」と前を向いた。次回は4日楽天戦。首位を争う相手に立ちはだかる。【石橋隆雄】