最後に福が来た! 中日が12球団最遅で今季初のサヨナラ勝ちを決め、今季最多の5連勝を飾った。

先発柳が8回無失点と快投。救援陣もゼロを並べ続け、延長11回裏2死一、三塁からドリスの暴投で決勝点をもぎ取った。今季はすでに6度もサヨナラ負けしたが、与田監督にとっても就任後初のサヨナラ勝利だ。「9回裏から勝たせてくれ、サヨナラ勝ちをさせてくれと、ドームですけど天を仰いで祈っていました。選手がよく頑張ってくれました」と満面の笑みを浮かべた。

白星を手にしたのは4年目左腕の福だ。両軍無得点の11回表に登板。先頭打者を出しながらも、1死二塁と2死三塁のピンチで耐えた。入団1年目の16年は主に中継ぎで27試合に登板。だが左肩に大けがを負った影響で17年オフに育成契約となり、一時は引退も考えたほどだった。それでも地道なリハビリを重ねて18年途中から支配下選手に復帰。今季は救援陣の貴重なピースとして存在感を放っている。16年5月7日の巨人戦以来、3年ぶりのプロ2勝目だ。「(1軍に)上がってきた時の常に崖っぷちという気持ちは、いまだにある」と浮かれない姿が頼もしい。

6回1死満塁では、4番ビシエドの弾丸ライナーが中堅近本の正面を突いた。先発柳に白星を贈れなかった。だが最後は運も味方した。5連勝で借金を11から6まで一気に減らした。与田監督は「とにかく勝ち続けること。流れをみんなで守っていきたい」と力を込めた。福の神が舞い降り、竜の上げ潮ムードは高まるばかりだ。【佐井陽介】