福の神降臨だ。ソフトバンク高橋純平投手(22)が2日連続で勝ち投手になった。プロ初勝利からとなると、南海時代を含めても球団史上初の快挙だ。「ツイてる。名前を残せたことは大きいですね」と笑った。

この日の出番も前日と同じ1点ビハインドだった。7回2死一塁。4番中田を外角直球で見逃し三振に斬った。「三振を狙いにいった。狙って投げられる投手ではないが、狙った以上の球がいって自分でもビックリ」。直後の8回に味方打線が2点を奪って逆転。打者1人、5球で2勝目だ。

前日は1回2/3を無失点に抑え、チームの逆転を呼び込んだ。試合後に両親に連絡し、喜びを分かち合ったばかり。2個目のボールも岐阜の実家に届ける。工藤監督も「今の調子、球の力ならいけると思った」と信頼は高まるばかりだ。

15年ドラフトで中日、日本ハムの3球団競合の末、県岐阜商から1位入団。昨季まで1軍登板1試合だったが雌伏の時を経て、4年目で1軍に定着した。まだ勝ちパターンではないが、13試合、19回2/3を投げて防御率0・92の好成績。それでも緊張感は高いという。「気が弱いだけですけど、マウンドに立っても打者1人を抑えるまでは、足が震えている状態。情けないですけど」。倉野投手コーチから「いい緊張感として勝負を楽しめるか。緊張は誰でもするし大事」と言われ割り切りを心がけている。高橋純は「経験を積めてうれしい」と必死の毎日だ。

チームは4連勝で今季最多の貯金11。試合がなかった2位楽天と2ゲーム差に広げた。弾みをつけ、2日からはホームで首位攻防3連戦に挑む。【石橋隆雄】

◆高橋純平(たかはし・じゅんぺい)1997年(平9)5月8日生まれ、岐阜県出身。県岐阜商3年のセンバツで8強。15年ドラフト1位でソフトバンク入団。2年目の17年4月14日オリックス戦でプロ初登板も、昨季は1軍戦登板なし。今季はすべて救援で13試合に登板し、失点は6月12日阪神戦2失点だけと安定感を誇る。183センチ、85キロ。右投げ右打ち。