オリックスのクリス・マレーロ内野手(31)が、因縁の捕手と再会した。中日からトレード移籍した3選手の入団会見が本拠地の京セラドーム大阪で行われ、その後練習に合流するために3人はロッカーへ。

そこでマレーロが顔を合わせたのが、松井雅人捕手(31)だった。

2年前の来日シーズン。6月9日の中日戦でオリックスが1点を追う5回に、マレーロは中日小笠原の真ん中チェンジアップを捉えて左中間スタンドに運んだ。そこまで2打席凡退していただけに、逆転2ランにマレーロは大喜び。意気揚々とベースを回り、笑顔でベンチに凱旋(がいせん)した。

ところが中日からアピールが入り、一塁塁審はアウトのジェスチャー。「マレーロ選手が本塁を空過し、その後にアピールがあったので得点は1点で試合を再開いたします」。まさかの、痛恨の、本塁ベース踏み忘れ。その走塁をしっかり確認していたのが、中日の捕手だった松井雅だった。

試合は延長10回のロメロのサヨナラ2ランでオリックスが勝った。マレーロにとっては、泣き笑いの1日になった。

「ロッカーで顔を見たとたん、あの話をしたよ。覚えてる? って」。2年前の“敵”は、頼もしいチームメートになった。