<巨人7-6中日>◇3日◇東京ドーム

交流戦で首位に返り咲いた巨人だが、セ・リーグ同士の戦いに戻っても4連勝。好調な要因のひとつに、交流戦から先発起用されている桜井の存在が挙げられる。今試合では攻撃の兼ね合いで代打を送られ、3回3失点で降板。結果はいまひとつだが、先発転向で開花した片りんは感じさせる内容だった。

中継ぎで大した成績を残せなかったのに、なぜ先発に転向して良くなったのだろう? 理由は2つある。1つはショートリリーフだと投げにくかった縦のカーブが使いやすくなったこと。今試合でも53球中14球を投げ、大きな武器になっている。そしてもう1つの理由として、桜井ならではの特徴が挙げられる。

今試合前までの被打率は、左打者の1割4分3厘に対し、右打者は3割1分3厘。通常、有利とされる右打者に打ち込まれ、不利とされる左打者を抑える逆転現象が起きている。

今季の中継ぎでの右打者の対戦結果は、32打数12安打(3割7分5厘)で、左が19打数4安打(2割1分)。先発転向後は、今試合を入れて右が39打数13安打(3割3分3厘)で、左が43打数5安打(1割1分6厘)。中継ぎでは苦手な右打者の対戦が多く、先発転向後は得意の左打者との対戦が多くなっている。先発で成績が良くなるのは必然、と断言できる。

左打者に強いのは、外角の制球力が抜群で被本塁打も0本。一方で右打者の外角に投げる直球はシュート回転して、甘くなりやすい弱点がある。

今試合でも右打者に5安打され、左打者には1安打だけ。京田に打たれた2点適時打は外角低めの直球で、これは打った方を褒めるべき一打。これからは相手チームも右打者を並べるなど、対策を練ってくるだろう。右打者への外角低めの制球力アップが今後の課題になる。【小島信行】