ソフトバンク打線が天敵までのみこみ、今季最大連勝を「8」に伸ばした。3試合対戦して1点も奪えていなかったオリックス山本由伸投手(20)を、4戦目にして攻略。4回に5連打を含む6長短打を集中し、一気に4得点。2位楽天とのゲーム差を「6」に広げ、首位ターンも確定だ。

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28イニング目に、ようやく光が訪れた。難攻不落に思えた天敵をチーム一丸で倒した。4回。口火を切ったのは先頭内川だ。右前に運ぶ、らしい一打で塁に出た。1死からは絶好調のグラシアル。「いいピッチャーというのは分かっていたし、自分も打てていなかった。どうにか勝てるようにと思っていた」。やや高めの直球を逆方向に運んだ。同点の右越え三塁打。オリックス山本から、ついに今季初めて得点を奪った。

ひとたび付いた勢いは止まらない。続く松田宣がしぶとく中前へ勝ち越し打。上林、甲斐、高田も続き、この回5連打を含む6安打で一気に4得点した。前回まで3度の対戦で、24イニング無得点。計8安打しか打てていなかった相手に、この日だけで9安打を浴びせた。

現役時代通算224勝の大投手、工藤監督も「パ・リーグで一番いい。度胸も据わっていそう。ピンチでも臆することなく向かってくる。終盤でも(球威が)衰えない」と賛辞を並べ、実力を認める好投手。立花打撃コーチは試合前に「丁寧に打とうとしないこと。ボールは高い。真っすぐ、カット、フォーク。どのボールもいいから、球種も絞らないといけない。カーブがきたらごめんなさい」とプランを話していた。4回に内川、グラシアル、松田宣が打ったのは真ん中から高めへの直球、カットボールだった。V打の松田宣は「自分の中で、球種を少なく。速い球か遅い球という感じで、絞っていった」と胸を張った。

これで今季最長の8連勝。2位楽天とは6ゲーム差に広がった。球宴まで5試合を残し、首位での前半戦ターンが確定。指揮官は「価値のある勝利。あと5つ、オールスターまで。1つ1つしっかり戦っていくことが大事」と気を引き締めた。【山本大地】