阪神ジェフリー・マルテ内野手(28)が、約1カ月ぶりとなる不敗神話弾で勝利を呼び込んだ。

1点を追う5回。ここまで打線が1安打に抑えられていた広島先発大瀬良を捉えた。カウント2-2からの7球目。内角高め146キロ直球を迷いなく振り抜いた。日頃から意識するインサイドアウトのスイングから放たれた打球は甲子園の夜空に高々と舞い上がり、ファウルゾーンに切れることなく広島ファンで真っ赤に染まる左翼席中段まで届く7号ソロとなった。

「1打席1打席が勝負だから、いつもポジティブな気持ちで準備している。その成果を出せてよかった」 貴重な同点アーチは、必勝を意味する1発だった。今季はマルテが本塁打を放てば7戦7勝と負けなし。チームの勝利を最優先に考える助っ人は「もちろん自分がホームラン打てることはうれしいけど、やっぱりチームが勝つということが大事。そういう意味では、自分が打った試合で勝てるのはうれしい」と喜んだ。

久しぶりのアーチにマルテは「やっとというか、今から結果が出てくれるのかなと思います」と手応えを感じ、矢野監督も同調して「なかなか0-1でも0-1じゃない重さがあった。あれで追いついたのは、本当に『よし、行けるぞ』というムードを作ってくれた。見事な本塁打」と称賛した。

チームが負け越した2日からのDeNA3連戦では、5番を任されながらも好機で凡退が続いた。球団は得点力不足解消を目指し、補強に着手。すでにメジャー通算75本塁打のヤンガービス・ソラルテ内野手(32=マーリンズ傘下)の獲得に向かう中、背番号31が改めて存在感を示した。【奥田隼人】