竜が長いトンネルを抜けた。中日の先発笠原祥太郎投手(24)が6回4安打2失点。リリーフ陣もDeNA打線を3回完全リレーで封じ8連敗で止めた。

初の開幕投手を担いながら、不整脈で途中離脱していた笠原が燃えた。6回無死満塁からソトの犠飛で1点差。なおも1死一、三塁の場面で、主砲ロペスにカウント1-0から宝刀チェンジアップで三ゴロ併殺。左腕は珍しく雄たけびを上げた。「6回はヤバいと思いました。(ロペスへの2球目は)高めに甘く入ったけど、ゲッツーが取れて、(声が)出ちゃいました」。チームの危機を救い、100日ぶりの3勝目を手にした左腕は、照れ笑いで振り返った。

前日は松坂が初回KOで8連敗。しかし、松坂が中日移籍後、登板した次の試合は13戦12勝。「試合が終わってから、そんなんあったな」と笠原も苦笑い。この日登録抹消されたレジェンドの“神話”も、しっかり継続させた。

7回以降も福、ロドリゲス、岡田とサウスポーでDeNA打線を封じ込めた。与田監督も満面の笑み。「やっと勝てました。非常にうれしい勝ちです」。8連勝から8連敗。天国から地獄のトンネルをやっと抜けた。【伊東大介】