久々の“ハッピーサンデー”に、本拠地が沸いた。日本ハムは1点を追う5回、石井一成内野手(25)のバントヒットを足がかりに好機を広げ、1死一、三塁から西川遥輝外野手(27)が左翼フェンス直撃の逆転2点二塁打。大田泰示外野手(29)や4番に入った近藤健介外野手(25)も適時打で続き、5長短打で4点を奪った。連敗は3でストップ。日曜日の本拠地では、5試合ぶりの白星となった。

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“以心伝心”だった。1点を追う5回1死一、三塁、西川の打席。カウント3ボールとなったところで、ベンチの栗山監督から「打て」のサインが出た。それでも、いつもなら待つことが多い背番号7だったが、この日は違った。「振ってくれというサインだと思った。犠飛ではダメ。ゲッツーは一番ダメ。逆方向へ強い当たりを打とうと思った」。左翼フェンス直撃の逆転二塁打。思いが通じた一打に、栗山監督は「俺の考えをくみ取って、うまく打ってくれた」と大感激だ。

7月30日から始まった本拠地6連戦は、貧打との戦いだった。この日も4回までは、ソフトバンク先発の二保に散発2安打に抑え込まれていた。突破口を開いたのは5回、先頭の石井。一塁への豪快なヘッドスライディングでバントヒットを決め、押され気味だった試合の流れを一変させた。逆転打が7試合ぶりの適時打になった西川に、同じく大田が7試合ぶりの適時打で続き、近藤の6試合ぶりの安打で一挙4点。途中出場の多かった田中賢、谷口、中島をスタメン起用することでレギュラー陣の奮起をうながした栗山監督の策が、的中した。

チームにとっては6試合ぶりの2ケタ安打だ。

西川 泰示さん(大田)が、俺にバッティングのことを聞いてきたり…。コンちゃん(近藤)には打率3割切ったら、何か言おうと思っていた。みんな悩んでいたし、こんな時に6連戦で体も疲れていた。開き直りって大事なんだなと。

連敗は3で止まり、日曜日の本拠地では5試合ぶりの勝利となったが、本当の勝負はこれからだ。今カード苦しめられた千賀、ミランダと、1週間後に再戦の可能性がある。「また来週、ソフトバンクと試合がある。それまでの過ごし方が大事になる」と言う西川の声は、冷静だった。【中島宙恵】

▼日本ハムが5回に西川の左翼越え2点二塁打など5安打を集中して4点を奪い、連敗を3でストップした。この回は西川、大田、近藤で計4打点。今季チームで西川は安打数、得点圏打率、得点、盗塁などでトップ、近藤は打率、出塁率などでトップ。大田も打率、安打数、打点、本塁打でチーム2位の数字を残している。

▼2回1点先制された日本ハムが5回4得点で逆転し、その後2失点も逃げ切った。今季52勝のうち逆転勝ちは19試合目で、1点差から8勝、2点差から6勝、3点差から2勝、4点差から2勝、5点差以上から1勝。ちなみに1点差勝利は16試合目。