虎左打者の歴史がまもなく塗り替えられる! 阪神ドラフト1位の近本光司外野手(24)が2ケタ本塁打に王手をかけた。

1点リードの9回無死一塁。ベテラン右腕五十嵐の初球、内角低め142キロ直球で力いっぱい引っ張った。「確信とかはなかったんですけど…」。痛烈なライナーを右翼席最前列席に突き刺した。

狭い神宮球場でも一気に展開を楽にした値千金弾。矢野監督が「めちゃくちゃでかいよ」と絶賛した9号2ランは、イメージ通りの1発だったという。

「あの場面は一、二塁間を狙おうと思っていた。昨日、(五十嵐を相手に)真っすぐをとらえられていなかった。ファウルにならないように、1球で仕留められて良かったです」

試合後は初々しい笑顔の中にも、プロの世界で生きる勝負師ならではプライドを見え隠れさせた。

シーズン39試合を残した段階で早くも2ケタ弾に王手をかけた。虎の新人が達成すれば球団史上5人目。80年岡田彰布以来39年ぶり、左打者なら史上初の快挙となる。

「あと1本、頑張ります」

言葉からにじみ出る謙虚な人柄と、バットを握った際のギラついた表情とのギャップに、もう誰も戸惑わなくなった。【佐井陽介】

▼近本が9号本塁打を放ち、2桁本塁打にあと1とした。

阪神新人の2桁本塁打なら、80年岡田18本以来、39年ぶり5人目。過去4人は全員右打者で、近本が達成すれば初の左打者となる。