ソフトバンクが本塁打攻勢で3連勝を飾った。3戦連続で2番起用された中村晃外野手(29)が初回に先制2ランを放ち、チームに勢いを与えた。

アルフレド・デスパイネ外野手(33)の2本塁打など4発で楽天に快勝。優勝へのマジック点灯はお預けとなったが、西武とのマッチレースに1歩も引かない。

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4発のアーチ攻勢が右翼席に陣取る鷹党を歓喜させた。まずは1回無死一塁。楽天則本昂の甘く入った直球を逃さず、中村晃が右翼テラス席へ先制3号2ラン。1死からデスパイネも31号ソロで続いた。4回には松田宣が27号ソロ。3点リードの8回にはデスパイネがこの日2本目のダメ押し32号ソロだ。これが来日通算150号のメモリアル弾となり、快勝に花を添えた。工藤監督も「みんなが効果的なホームランを欲しいところで打ってくれた」と満足げにうなずいた。

開幕から故障者続出で固定できなかった打線に、ようやく形ができてきた。5連敗中だった1日西武戦から中村晃を2番で起用。同日にデスパイネも左背部痛から復帰し、4番に座った。指揮官は「晃くんがいると、ピッチャーにボールを投げさせることもできる。彼の今の打撃の状態を考えても、打っていった方がより得点の確率が上がる」。初回に走者が出ても犠打を使わない積極的な攻撃でリズムが生まれた。主砲デスパイネについても「打線という意味では中心となってやってもらいたい選手。いるといないでは大きな違いがある」と信頼を口にした。

今季は自律神経失調症で開幕2軍スタート。離脱期間の長かった中村晃はこの日でまだ25試合目。「ケガもあったり、試合に出るので精いっぱいなところもあった。今年に至っては個人成績はあまり関係ない。勝ちにつながる1本が打てれば、と思っている」と役割に徹している。2番に入ったここ3試合で5出塁。本塁打も8月24日ロッテ戦での今季1号から、7試合で3本目。ペナントレースが佳境に入ったところで、その存在感が増している。

優勝へのマジック点灯はお預け。西武とのデッドヒートはまだまだ続きそうだが、役者がそろったソフトバンクは強い。【山本大地】

▽ソフトバンク王球団会長(4本塁打の快勝に笑顔で)「ホームラン以外の得点がほしいんだけどね」

▽ソフトバンク・ミランダ(6回1失点で7勝目)「立ち上がりはボールをコントロールできず非常に苦しい投球だった。次回はもっとリズムのいい投球をしたい」