中日柳裕也投手(25)が“8度目の正直”でプロ入り初の10勝に到達した。

DeNA打線を相手に7回を5安打3失点。7月7日のヤクルト戦で9勝目を挙げてから2カ月、7試合勝てなかった柳は「一つ勝つ難しさを痛感しました」と振り返った。

ロペス、筒香に2者連続本塁打を浴びる立ち上がりから修正。「中盤以降はボールを操れた」と安定感を取りもどした。

勝てない期間、監督やコーチ、先輩たちの勝たせてやりたいという気持ちも強く感じた。大野雄には何度も食事に誘ってもらい、大島からはサプリメントをプレゼントされた。松坂には何度も連絡をもらって、たくさんのアドバイスを受けた。梅津や山本ら後輩たちの頑張りも刺激になった。「ファンのみなさんやいろんな方に手を差し伸べてもらいました」と感謝する。

勝てないから何かを変えるのではなく、やってきたことを貫き通した。「迷いはありましたけど、変える方が簡単。楽な方へ逃げずにやり切ろうと」。

与田監督も「やっとですね。よく頑張った」とたたえた。16年ドラ1右腕は「これを通過点にしたい。毎年2桁勝てる投手になりたい」と前を見すえた。チームも今季3度目の5連勝。壁を一つ乗り越え、さらにチームの勝利のために腕を振る。【高垣誠】