広島の4番長野久義外野手(34)が執念の決勝打を放った。

0-0の3回2死満塁。岩貞から左前打を放って2者をかえした。「(活躍が)遅くなったんで、申し訳ない気持ちしかないです。僕も何とか(5番)松ちゃんにつなごうとした結果、いい所に転がってくれました」。移籍後初のお立ち台で大声援を浴びた。

守りでもチームを救った。0-0の3回先頭の左翼守備。木浪のファウルゾーン方向に切れる飛球を懸命に追い、スライディングキャッチ。打球の行方を見つめていた同い年ジョンソンから「ヤングマン(若い)!」と感謝された。

8月23日に昇格するまで、1カ月半を2軍で過ごした。刺激を受けたのは、試合に出なくても若手を盛り上げる2学年上、赤松の姿だった。今年1月、自主トレ先の米ロサンゼルスから番号を調べて電話し、新入団のあいさつをした相手。その赤松が7日、現役引退を発表し、感じるものがあった。「(勝ちにつながる安打が)出てよかったです」と話した。

緒方監督は「チョーさんのタイムリーが大きかった」とたたえた。2カード連続勝ち越しで、2位DeNAに1ゲーム差と再接近。ラストスパートの中心に長野がいる。【村野森】