今春MVP右腕の東洋大・村上頌樹(しょうき)投手(3年=智弁学園)が白星スタートを切った。立正大との開幕戦に先発。本調子ではなかったが、5安打無四球完封で、連覇へ向け先勝をもたらした。

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大学代表の経験が、村上に引き出しを増やした。自慢の直球が140キロ前後で走らない。だが、焦らなかった。「状態は良くなかったけど、スライダーは良かった。うまく決まってくれました」。

2回1死一塁では、立正大・佐々木勝を三ゴロ併殺。7月の日米大学野球で一緒になった東海大・山崎から教わった握りで、曲がり幅がアップ。空振りも取りやすくなった。

チェンジアップ、カーブも交え、緩急でしのいだ。それでも、3回、9回のピンチでは「変化球で拾われるよりも。気持ちです」と直球で押した。冷静な判断力と熱い闘争心が同居。だから、悪くても抑えられた。「自信になります。リーグ戦。ここから調子を上げたい」と気を引き締めた。「ブルペンで見て、あちゃと思った」と心配した杉本泰彦監督(60)も安心させた。今春6勝無敗、防御率0・77の大黒柱は健在だ。

▽東洋大・佐藤都志也捕手(初回の先制打が決勝点。守備では村上を好リード)「もっと点を取って村上を助けてあげたかったけど、調子が悪くても要所でしっかり投げてくれた」