独走に待ったをかけた。DeNAネフタリ・ソト内野手(30)が、来日初の1試合3本塁打で巨人を砕いた。

2回に中堅の電光掲示板を破壊する推定飛距離140メートルの先制37号ソロを放つと、3回には左翼席中段へ38号2ラン。8回にも39号2ランを右翼席に放り込んだ。本塁打王争いでは2位坂本勇に4本差をつけ、2年連続のホームランキングへ視界良好。打点王との2冠も見えてきた。前夜に巨人のマジック再点灯を許したが、連敗を5で止め、奇跡の逆転優勝へ踏みとどまった。

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早すぎるジェット風船が2回に飛んだ。ソトが、巨人桜井の136キロカットボールを力いっぱいはじき返した。打球は横浜スタジアムのど真ん中を一直線に縦断。球場中の視線を独り占めしながら、電光掲示板をぶっ壊した。ぶち当てたのはビジョン上のスコアボードの7回裏の部分。衝撃でLEDが黒くなり、その部分だけしばらく映像が映し出されなかった。5イニングも早い衝撃の「ラッキーセブン弾」。なぜか日本語で「チョースゴーイ!」と驚いた。

奇跡への望みを膨らませるには、十分な1発だった。敗れれば3位転落の可能性もあった一戦。一振りで息を吹き返した。3回に再び桜井からカーブを捉えて左翼席中段へ38号2ラン、8回にはマシソンの直球を右翼席へ39号2ランを放り込んだ。来日後初の1試合3本塁打。「日本に来る1年前に3Aで3発があった。1回目も3方向に打てました」と笑みがこぼれた。

不振も横浜の夜空に吹き飛ばした。前日まで6戦連続で2番起用されたが、この日は5番。2番での打率は2割2厘だったが、5番では3割3分3厘。居心地の良い中軸で気持ち良くバットを振り回した。「2本、3本と打てる時は状態が良い時」と最終盤での復調に手応えをつかんだ。

これで首位巨人とは再び4ゲーム差で、直接対決は残り4。「1位を走る巨人にこういう試合ができたのはうれしい。チームは勝ちに集中している中で、本塁打で貢献できた」と相手に恐怖心も植え付けた。徳俵で踏みとどまった大逆転優勝への可能性。気持ちをしぼませるには、まだ早い。【島根純】

▼DeNAラミレス監督(ソトについて)「彼の本塁打王を脅かすのはセ・リーグにいない。打順は関係なく、田代コーチが積極性を出していこうと強く言っていた。悪いボールを見逃して、ファーストストライクをしっかり振っていた」