日本ハム金子弌大投手(35)が、移籍後最長となる7回を投げきり、7勝目を挙げた。「序盤はしっかりとストライクゾーンで打者と勝負できました」。不慣れな地方球場、断続的な雨にも動じなかった。打者27人に対して3ボールとなったのは3人だけ。四球も7回に与えた1個のみだった。

金子 僕のよくないところは、どうしてもボール先行になってしまうので、それだけは避けようと思った。しっかりストライクゾーンに投げ込んで勝負をすることが、今日の課題と思って入りました。

掲げたテーマを忠実に遂行した。直球も多彩な変化球もきっちり制球。ストライク先行でのリズミカルな投球は、相手打者の打ち損じを次々と誘った。球数もわずか89球。新天地で突き抜けられなかった6回の壁を旭川でようやく破った。

「今日は野手に助けられたところはたくさんあった」と振り返ったが、味方の援護や好守を引き出したのは、テンポのいい金子の投球があったからこそ。栗山監督も「素晴らしかった。ムダな球数がなかった」と絶賛した。残り8試合でCS圏まで3・5差と厳しい状況は変わらないが、金子は「可能性がある限り、1試合1試合、一生懸命やって、結果がそうなれればいいと思う。そうなれるように、やっていきたい」。久しぶりに投打がかみ合った勝利をベテラン右腕がもたらし、何とか希望をつないだ。【木下大輔】