阪神横田の引退試合を見届けた矢野燿大監督(50)が、逆転CS進出への思いを強くした。甲子園で1軍練習を指揮後、鳴尾浜へ直行。バックホームで刺した姿に心震わせ、セレモニーはユニホーム姿で花束を贈った。目は真っ赤だった。

「すごいなあ。ホンマに野球の神様が起こしてくれた。あんなバックホーム、なかなかできへんと思うけど。すごいなあ…」と声を上ずらせた。「逆にアイツから勉強させてもらうことが多かった。そういう言葉を言った」と明かした。

昨季は2軍監督として、脳腫瘍から復帰を目指す横田を支えた。振り返ると言葉を詰まらせた。「いざ自分にと置き換えた時、ここまでできるかと。それは…。大変やったと思うし…。それは…。毎日、見てきた…」。しばし沈黙し「でも最後のあいさつも、すごくヨコらしい真っすぐな気持ちを伝えるのが、すごく出ていた」と言葉を継いだ。

3位広島を1・5ゲーム差で追い、残り3戦全勝がCS進出条件だ。27日に広島が中日戦に勝てば敗退が決まるが、望みを捨てない。「俺も横田を応援するけど、今日、また力をもらえた。恩返しじゃないけど、横田にしっかり見てもらって、俺らも頑張っている姿を見せていく日にもなったと思う。素晴らしい1日にしてもらいました」。横田の覇気に触れ、腹をくくった。【酒井俊作】

▽阪神谷本球団副社長(横田について)「よく頑張ったと思います。(バックホームは)本人も言っていた通り、野球の神様が見ていてくれたんだと思います」