日本ハム中村勝投手(27)が1日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で球団から来季の契約を結ばないと通達された。09年ドラフト1位入団の右腕は、17年に受けた右肘のトミー・ジョン手術から完全復活を目指していたが、今季は1試合登板にとどまった。

今後は他球団での現役続行を目指す。田中豊樹投手(25)森山恵佑外野手(25)岸里亮佑外野手(24)立田将太投手(23)も球団から同様の通達をされ、森山以外は現役続行の意志を示した。

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入団から10年目の秋。27歳になった中村は、厳しい現実を直視した。「そういう年齢にもなってきましたし、結果としても見せられていなかったので、ある程度、覚悟していたことです」。球団から、来季の契約を結ばないと通達された。今季は7月9日ロッテ戦(ZOZOマリン)で768日ぶりに先発も2回6失点。黒星を喫した1試合のみの登板にとどまっていた。

近年は右肘痛に悩まされてきた。最初に異変が起きたのは、14年にキャリアハイの8勝を挙げた翌15年。右肘に違和感を覚えるようになった。以降は安定しない患部と戦いながら、17年7月にトミー・ジョン手術。約1年後の18年8月に2軍戦で実戦復帰し、今季は完全復活を目指していた。

現状で右肘に不安はない。「制限なく投げられるようになってきましたし、試合で投げていても、こうしたらいいなとか、そういう部分ですごく年々、野球を考えることが楽しくなってきた」という。長いリハビリも経験したが、「僕の人生にとっては、プラスにできたかなと思います」と大きな故障を乗り越え、精神的に、たくましくなった。

まだ、野球は辞められない。「他球団が僕に興味を持っていただけるのなら、また来年もやりたいなと思っています」と12球団トライアウトの受験も視野に入れる。日本ハムでの思い出を問われて「やっぱり、日本シリーズに投げられたこと」と即答した。12年日本シリーズ第4戦で先発し、巨人を相手に7回無失点の快投を見せた右腕は、自らの力を信じて、現役続行を目指す。【木下大輔】