キーマンは近本、ラッキーボーイはオレだ! 阪神木浪聖也内野手(25)が3日、大阪ガスとの練習試合(鳴尾浜)に「1番遊撃」で志願出場した。

1軍本隊は午前から甲子園で全体練習。そこにドラフト3位ルーキーの姿はなかった。「練習よりも、試合の方がいいなと思った。(首脳陣も)そういう話もされていたので、お願いしました」。雨で試合が中断する悪条件も気にしなかった。他の野手とは別行動をとり、CSに向けた実戦調整を選んだ。

アピールの一打は4回に飛び出した。大阪ガスの2番手左腕中谷の129キロを捉えた。「思い切り、迷わずに初球から行こうと思っていました」。センター方向に鋭い打球を放ち、二塁打とした。当初は3打席の予定だったが、4打席以降も自ら志願。終わってみれば、フル出場で5打席に立ち、4打数1安打。平田2軍監督は「4打席(以降)は本人に聞いてということだったが、『行く』と。5打席に立ったし、良かったと思う。そういう姿勢は学べるところ」と評価した。木浪自身も「打席の中での感覚ですね。5打席に立って、感じはいいです」と納得の表情を見せた。

矢野監督はルーキーの姿勢に成長を感じた。「本人が『行きたい』と言うから行った。俺が強制したわけでもなく、打席に立った方が自分がCSに向かって良い調整ができると思えば、それはいいこと。ある意味、プロになってきた。ラッキーボーイになってくれれば、最高」と喜んだ。DeNAの左腕今永に対して、今季は7打数3安打1打点とキラーぶりを発揮した。先発出場の可能性は十分にある。

昨年までは社会人ホンダに所属。切磋琢磨(せっさたくま)してきた大阪ガスの選手からもエールを受けた。「先輩とか同級生とか、社会人時代に仲良くなった選手がいました。『頑張って』みたいな声はかけてもらいました」。ポストシーズンは初めての経験。「やることは変わらないと思う。ここまで勝ってきた勢いで頑張りたいです」。虎のラッキーボーイがCSでも大暴れする。【奥田隼人】