BC新潟の加藤健球団社長補佐兼総合コーチ(38)の今季限りでの退団が24日、球団から発表された。来季は巨人のファームのコーチに就任する。新発田農出身で巨人の捕手として18年間プレーした知名度と人気を誇り、17年から球団社長補佐、今季からは兼任で総合コーチも務めて球団の発展に尽力した。ドラフト会議(17日)で日本ハムに育成指名された樋口龍之介内野手(25、育成2位)、長谷川凌汰投手(23、同3位)の今後に期待をかけながら、自身のBC新潟での活動を振り返った。

みなさんこんにちは。22日に今季のサポーター感謝祭を開催し、たくさんのファンのみなさんと交流でき、選手もスタッフも楽しい時間を過ごしました。

前後期とも2位でプレーオフ進出はなりませんでした。ただドラフトでは3年目の樋口と2年目の長谷川が日本ハムから育成2、3位で指名されました。チームからは4年連続の指名でBCリーグ初になります。

今季の樋口で注目したのは本塁打19本よりも昨年の2から11に増えた盗塁です。決して足が速いわけではない。そういう選手が盗塁をしていたらプロの目にとまります。そこを考え、努力し、アピール材料にしました。

長谷川には投手出身の清水章夫監督(44)が実戦的アドバイスをされていました。僕も捕手目線で話しました。9月、BCリーグ選抜の一員で対戦した巨人3軍戦。1回を3者凡退で抑えました。漂っていたのは「俺が打たれるわけがない」という自信に満ちた雰囲気。成長した姿でした。

兼任コーチとなった今季、毎試合ではないですが試合のベンチに入りました。フロント業務などがない時はなるべく練習にも行くようにしました。試合に勝つためには、チームに役立つ選手とは、という意識を持ってもらおうと、いろいろ厳しいことも言ったつもりです。その中で樋口と長谷川の変化を感じました。

彼らには今まで以上にシビアな世界が待っています。それを乗り越え、新潟のファンの期待に応える選手になってもらいたいです。有望な若手がたくさんいます。来年もレベルアップする選手が出ることを期待しています。

この3年間、リーグ、球団、そして生まれ故郷の新潟でさまざまな経験をさせていただきました。次のステップに必ず、いかしていきたいと思います。これまで多くの事業を通じ新潟の子どもたちと触れ合ってきましたが「夢を持つことの大切さ」を伝えていく活動はできる限り続けていきたいと思います。3年間、本当にありがとうございました。(元巨人捕手、BC新潟球団社長補佐兼総合コーチ)