ソフトバンクから無償トレードで阪神に加入した中田賢一投手(37)が29日午後、兵庫県西宮市内で入団会見に臨んだ。

黒のスーツ姿で登場した100勝右腕は、入団に感謝を示して「しっかりとしたプレーをこれから見せていきたい。なかなか(ソフトバンクで)1軍で投げられない状態が続いていた。(阪神に)呼んでいただいたので、次に向けて頑張っていきたい」。気持ちの切り替えについても「まだ現役がしたい。まだ投げたい、投げられると思っていた」。加入決定後には、中日時代の先輩福留に連絡を入れたという。「ビックリしていましたけど、『頑張ろうな』と言っていただいた」と笑顔で明かした。背番号は中日時代につけていた「20」と発表された。

北九州市大から04年ドラフト2巡目で中日に入団。150キロ超の速球を武器にローテーションを担い、「虎キラー」として阪神の前に何度も立ちはだかった。14年にFAでソフトバンクに移籍し、先発投手として活躍。同年には07年中日時代の14勝以来、2度目の2桁11勝をマークし、常勝軍団先発陣の一角を担った。18年には通算100勝をマーク。FA権を再行使せずに迎えた今季は、日本一となった層の厚いチームの中で1軍登板は先発1試合のみ。それでも、2軍戦で21試合に登板して6勝3敗。チーム最多の95回1/3で規定投球回を超え、防御率3・02はリーグ1位の成績を残した。日本シリーズは登録40人の枠から外れ、みやざきフェニックス・リーグで登板していた。通算294試合に登板して100勝77敗、防御率3・72。

阪神は中田がFAを行使した13年オフ、交渉に乗り出して背番号18を提示した過去がある。矢野監督も「先発として、まだまだできるんと違うかな」と期待を寄せる。

◆中田賢一(なかた・けんいち)1982年(昭57)5月11日、北九州市生まれ。八幡-北九州市大を経て04年ドラフト2巡目で中日入団。3年目の07年に14勝などローテーション投手として活躍。13年は一時中継ぎに回って15ホールド。ソフトバンクにFA移籍した14年は、7年ぶり2桁となる11勝を挙げた。18年8月のプロ通算100勝を最後に勝利がなく、今季は1試合、プロ15年目で初めて未勝利に終わった。通算294試合100勝77敗、防御率3・72。今季推定年俸は6000万円。181センチ、82キロ。右投げ右打ち。